母が脳梗塞で倒れてからしばらく経ち、回復期に入った頃のことです。
会話はできるようになり、受け答えもしっかりしてきていました。
一見すると「回復している」と感じられる状態です。
それなのに、家族としてはどうしても違和感がありました。
「回復しているはずなのに、おかしい」
「前よりボケてしまったのではないか」
そんなふうに感じてしまったのです。
この記事では、回復期に入った母の様子と、家族が感じたこの違和感の正体について整理します。
回復しているはずなのに、感じた違和感
急性期の頃の母は、言葉も少なく、とても静かでした。
ぼーっとしている時間が多く、反応もゆっくり。
正直に言うと「弱っている」という印象でした。
しかし、回復期に入ると様子が変わります。
- よく話すようになった
- 感情がよく出るようになった
- 自分の意思をはっきり言うようになった
一見すると、明らかに「良くなっている」状態です。
それなのに、家族の中では逆にこう感じ始めました。
「なんだか、前より幼くなった気がする」
「会話はできるけど、どこかズレている」
この感覚は、とても説明しにくいものでした。
「できること」と「分かっていること」は別だった
あとから整理して分かったのは、
“できること”と“理解できていること”は別だったということです。
母は会話ができていました。
質問にも答えられます。
でも、よく聞いていると
- 話のつながりがずれる
- 同じことを繰り返す
- 直前の話を覚えていない
といった場面がありました。
つまり、
会話は成立しているように見えて、中身の理解や記憶は追いついていなかったのです。
これが、家族が感じた違和感の正体でした。
「前よりボケた」と感じたのはなぜか
急性期の母は、確かに反応が少なかったです。
でもその分、余計なことを言うこともなく、“静かで落ち着いているように見える状態”でした。
それに対して回復期は、
- よく話す
- 感情が出る
- 自己主張が強くなる
という変化が起きます。
この変化によって、
“ズレ”や“違和感”が表に出てくるようになったのです。
その結果、
「回復しているのに、前よりおかしいのでは?」という印象につながってしまいました。
家族が戸惑ったのは「悪化」ではなく「見え方の変化」
ここで大事なのは、
これは「悪化」ではなく状態の見え方が変わっただけということです。
急性期は
→ できないことが多く、違和感が見えにくい
回復期は
→ できることが増え、違和感が目立つ
つまり、回復したからこそ“ズレ”が見えるようになった、という状態でした。
家族としての受け止め方が変わった
最初は、「ボケてしまったのでは」と不安でした。
でも、この違いに気づいてからは見方が変わりました。
- できることは増えている
- でも認知はまだ回復途中
- だからズレがあるのは自然
そう考えるようになったことで、必要以上に不安になることは減りました。
まとめ
脳梗塞の回復期では、
「回復しているはずなのに、前よりおかしく見える」という感覚を持つことがあります。
でもそれは、
- 悪化ではなく
- 回復の過程で見え方が変わっただけ
というケースも少なくありません。
同じような違和感を感じている方にとって、少しでも参考になればと思います。
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