家族が倒れているのを見つけた瞬間、私の頭の中にあったのは、ただひとつだけでした。
「とにかく、救急車を呼ばなきゃ」
それ以外のことは、何も考えられませんでした。
発見時は「救急車を呼ぶこと」しか考えられなかった
母の異変に気づいたとき、状況を整理する余裕はまったくありませんでした。
手は震えて、頭の中は真っ白で、「今すぐ来てください」と伝えることに必死。
その一方で、脳裏をよぎったのは、昨夜のことでした。
「昨夜は普通だったのに…」という記憶だけが残った
前日の夜、20時ごろ。
母とはLINEでやりとりをしていました。
そのときは、特に変わった様子もなく、いつも通りの文章でした。
だからこそ、救急隊員の質問に、
いつからこの状態だったのか?
と聞かれたとき、頭の中で何度も同じ記憶をたどることになりました。
「昨夜は普通だった」
「でも、今は明らかにおかしい」
その間の時間が、どうしても埋まらなかったのです。
救急隊員に実際に聞かれたこと
救急隊員の方は、とても冷静で、必要なことを淡々と確認していきました。
私が覚えている範囲で、聞かれたことは次の通りです。
- いつからこの状態かわかりますか?
- 最後に連絡を取ったのはいつですか?
- かかりつけの病院はありますか?
- 飲んでいるお薬はありますか?
お薬手帳はありますか? - 保険証、マイナンバーカードはありますか?
- これまでに大きな病気をしたことはありますか?
それはいつ頃ですか? - ご家族で大きな病気をされた方はいますか?
他にも、細かい確認があった気がしますが、正直、すべてを覚えている自信はありません。
その場で答えられず、とても焦った
質問をされるたびに、「えっと…」「たぶん…」と、言葉が詰まりました。
- かかりつけの病院の名前がすぐに出てこない
- 薬の名前がわからない
- いつから症状が出ていたのか断言できない
そのたびに、
「私がちゃんと把握していれば…」
「家族なのに、何も答えられない…」
そんな気持ちで、胸がいっぱいになりました。
今なら、これだけは伝えたいこと
今、あの時を振り返って思うことがあります。
完璧に答えられなくても、大丈夫です。
わからないことは、「わかりません」「はっきりしません」と伝えていい。
救急隊員の方は、責めるために質問しているわけではありません。
限られた時間の中で、少しでも多くの情報を集めようとしているだけです。
もし事前に「こういうことを聞かれるかもしれない」と知っていたら、私自身、もう少し落ち着けた気がします。
これは医療アドバイスではありません
この記事は、医療や判断についてのアドバイスではありません。
あくまで、私が家族として、その場に立ったときの体験談です。
実際の判断は、必ず医師や専門家の指示を最優先にしてください。
それでも、これから同じような場面に立つかもしれない誰かが、「こんな質問をされることもあるんだ」と心の準備をするきっかけになればと思い、書きました。
介護が始まった日のことは、こちらに書いています

